ヴォルレポ

徳島ヴォルティスの試合を戦術的に分析するブログ

徳島ヴォルティスの2020シーズン展望、のようなもの

はじめに

 いよいよ、J2リーグ開幕まで残すところ一週間。J1J2を問わず、Jクラブサポの皆さまが新シーズンの夢と希望を語る季節になりました。他クラブの展望を見るのって面白いですよね。同じクラブを見続けてきたからこその視点だったり、期待と不安が入り混じる心境が垣間見えたりして。不確かなことしかわからない今だからこそ、語れることがある。自分なりに新シーズンの見どころを整理する意味も含めて、シーズンプレビューに挑戦したいと思います。

 

リカルド・ロドリゲスのサッカーを整理しておく

 徳島ヴォルティスは幸運なことに、リカルド・ロドリゲス体制で四年目を迎えることになった。昨年はJ1某クラブの新監督候補として具体的にリカ将の名前が挙がるなど、別れを覚悟した時期もあった。J1昇格プレーオフを勝ち抜くことは「補強の出遅れにつながる」や「選手の見本市になる」などネガティブな点が指摘されることも多いが、「監督を引き抜かれる」危険度は下がるのかもしれない。編成を迅速に進めたい清水にとって(清水って言っちゃったね)、どっちつかずの状態が長引くことは避けたかっただろう。ここまで書いて思い出したが、ロティーナは結局引き抜かれたので、やっぱり関係ないのかもしれない。

 

 さて本題に入ろう。好事家の間で称賛されることの多いリカルドのサッカーだが、彼の最も優れた点は「現有戦力に応じてチームの戦力値を最大化できること」だと思う。その根底には「ポジショナルプレー」に基づいた彼のサッカー哲学、様々なシステムを使い分けることができる引き出しの多さや柔軟性などが寄与しているのは確かだろう。

 

 一年目となる2017シーズンは「前線からのプレッシングとサイドの質的優位」を前面に押し出すスタイルだったと思う。地の果てまでプレスをかけ続けられる渡 大生と、動けて収まる山﨑 凌吾の2トップ。サイドには無双状態だった馬渡 和彰やスタミナオバケの広瀬 陸斗、広瀬の離脱を受けてWBでも起用されるようになる島屋 八徳など、のちに全選手がJ1でプレーすることになるタレントを抱え、カルリーニョスという一撃で局面をひっくり返せる選手もいた。選手の質と流動性を生かすため、サイドを滑走路とするダイヤモンド型の[4-4-2]や、杉本 太郎・前川 大河+両WBを同時起用できる[3-1-4-2]を主に採用。一方で明確な軸を欠いたDFラインは脆弱性を見せることも多く、カウンターやセットプレーをねじ込まれ「押し込みながら勝ちきれない」という試合も多かった印象だ。

 

 渡・馬渡をJ1に送り出して迎えた2018シーズンは、ケガによる山﨑の出遅れ、呉屋 大翔の不発が重なり苦しい滑り出しとなる。相手が徳島の攻撃を警戒して自陣を厚くかまえるなか、質的優位を作り出すポイントが見つけられないまま試合は過ぎていく。山﨑の復帰や大〇 祐〇の復調などで上昇気流に乗るかに見えたが、DAZNマネーが流入したJリーグは移籍市場の常識が変わっていた。夏のマーケットで主力選手4名を失うという異例の事態に。おかげでリカ将の白髪も増えてしまった(ように見えた)。転んでもただでは起きない知将は「ブロックを敷いた[5-3-2]からバラル・ウタカの2トップでカウンター」という解決策を提示して巻き返しを図る。だがプレーオフ出場という一縷の望みが絶たれた終盤戦は、見るも無残な連敗街道になってしまう。まあ、これは仕方ない。監督をはじめ、中で戦っていたスタッフ・選手たちは相当に疲弊していたのだと思う。

 

 2019シーズンは、J2でそれなりに実績のある選手を補強のターゲットに据え、「20代中盤~後半」の選手が増えるスカッドとなる。補強の目玉だったヨルディ バイス、野村 直輝、河田 篤秀に加え、渡井 理己、小西 雄大、内田 裕斗といった既存戦力が大きく成長。ライン間で決定的な仕事ができる野村・渡井を生かす[3-4-2-1]。DFラインにも「引きつけてリリース」ができる選手が揃い、バイスの加入によって飛び道具も復活。「時間とスペースの貯金を前線に繋いでいく」という点で、ボール保持時においてはリカルドの理想とするサッカーに最も近づいた一年といえるだろう。惜しむらくは、1トップの河田の負担が大きく途中交代を余儀なくされることと、彼を脅かすようなバックアップが不在だったことか。それを解消するために外国籍FWも獲得したはずなのだが、このチームが独自ルートで連れてきた外国籍FWをあてにしてはいけない(経験による学習とラ〇ベ〇への恨み言)

 

2020シーズンのポジション別展望

 今オフもまた、多くの主力選手がチームを離れることになった。J1参入決定戦進出による出遅れや、J1クラブがJ2の選手を買い上げていく流れの加速によって、強化部にとっては難しいオフとなっただろう。そのなかでも、打てる手は打った!と感じさせる選手が揃ったのではないか。また攻撃的MFを多く補強していることからも、昨年と同じく[3-4-2-1]がベースになるのではないかと思う。新シーズンを共に戦ってくれる選手たちをポジション別に見ていこう。なお新加入の選手は、昨シーズンプレーしていたチームを表記。

 

・GK

瀬口 拓弥(讃岐から加入)

上福元 直人(東京Vから加入)

松澤 香輝

長谷川 徹

  正GKだった梶川がマリノスにお買い上げ。監督が求める役割と近年の実績を加味すると、1stチョイスは上福元で確定的。ただしサイズ的には梶川よりダウンしており、ハイボールへの対応やシュートストップの確実性など、異なる要素でアピールすれば他の選手にも望みはあるか。長谷川の復活にも期待。

 

・右CB

石井 秀典

内田 航平

田向 泰輝

 ベテランから大ベテランの域に差し掛かりつつあるが、新境地を開き続ける石井がレギュラー筆頭候補か。対人プレーにおいて粘り強さを発揮する内田も万全の状態なら差はない。本職はWB/SBながらも、田向がこのポジションで起用されるケースもあるだろう。

 

・中央CB

ドゥシャン(横浜F・マリノスから加入)

秋山 拓也

  バイスが去ったこのポジションは、ドゥシャンの活躍にすべてが懸かる。空中戦・対人の強さは折り紙つきな一方で「カードマスター」との声も聞かれ、稼働率に一抹の不安は残る。とはいえバイスの穴埋めという点でこれ以上の人材は見当たらず、よくぞ徳島に来てくれました。サイズ的に、ドゥシャンの代役は秋山ぐらいしか見当たらず、バックアッパーとして仮定。

 

・左CB

福岡 将太

安部 崇士(中央大から加入)

奥田 雄大(鹿屋体育大から加入)

ジエゴ

 レギュラーだった内田裕が抜け、最も予想が難しいポジション。福岡を筆頭候補にしたが、180㎝のレフティという希少価値をもつ安部、「ハーフディフェンダー」と公式HPで紹介される奥田のルーキーコンビにもチャンスはありそう。監督がジエゴをどのポジションで考えているか?によっても、序列が大きく変わる可能性がある。

 

・右WB

岸本 武流

藤田 征也

田向 泰輝

浜下 瑛(栃木から加入)

 昨年も鎬を削った2年目トリオに浜下が挑む形。突破力が魅力の岸本、正確なクロスからチャンスを創出する藤田、頭脳的で安定感のある田向と、特徴が異なる選手を揃える。一方で岸本は負傷明け、藤田はフル稼働が難しそう、田向はCB起用の可能性…と考えていくと、浜下にもチャンスがありそう。

 

・左WB

島屋 八徳

表原 玄太

ジエゴ

榎本 大輝(名古屋から加入)

吹ヶ 徳喜(阪南大から加入)

 リカ将のサッカーを勝手知ったる島屋、「地元出身枠」だけでは生き残りが厳しくなってきた表原、今年こそ真価を発揮してほしいジエゴ。そこに「ドリブルだけなら神」と評判の榎本が加わった。前任者は杉本竜士だったわけだが、その特徴を考えると榎本にも大いにチャンスは巡ってくるだろう。スカウトや大学の監督の評価によれば「馬渡2世」を彷彿とさせる吹ケは、上記の選手たちと違った特徴がありそうで、こちらも楽しみ。

 

ボランチ

岩尾 憲

 「男気を称えて銅像を建立するべき」「徳島に家を買ってほしい」といった意見から、とうとう「お墓を建ててほしい」発言や「寿司で残留を祝う」儀式まで、サポーターの思想を先鋭化させてしまった罪深き漢。いや真面目な話、これだけ選手の入れ替わりが激しい現代サッカーにおいて、徳島でプレーし続けるという彼の選択が、どれだけ多くのサポーターに勇気と誇りを与えているだろうか。当然のごとくキャプテンも続投。

 

ボランチ

小西 雄大

鈴木 徳真

梶川 諒太(東京Vから加入)

森田 凛(ユースから昇格)

 岩尾の相方はだれか。小西・徳真という期待の若手コンビに、リカ将が「長崎でプレーしていた時から目をつけていた」という梶川が加入。誰がレギュラーを奪っても「J2屈指のボランチコンビ」ということになる。バイスが抜けたことを考慮すると、左足のロングフィードに期待して小西を筆頭候補としたい。徳真・梶川はシャドウでスタメンを奪う可能性もあるだろう。岩尾の後釜として期待される森田くんには、偉大な先輩たちから多くを吸収してほしい。

 

・シャドウ①

渡井 理己

杉森 考起(名古屋から加入)

川上エドオジョン智慧

 新10番を背負うことになった渡井は不動か。昇格のためには昨年よりもパワーアップしてもらわないと困る。野村という頼もしい兄貴分は抜けたが、押しも押されぬエースとして独り立ちしたところを見せてほしい。ユース年代から期待を集めながら、そろそろ脱皮が必要な年齢にさしかかる杉森、相模原から武者修行帰りのエドをバックアップと仮定。

 

・シャドウ②

西谷 和希(栃木から加入)

梶川 諒太

鈴木 徳真

島屋?表原?

 最も予想が難しいポジションその②だ。野村が抜けた穴を埋めるべく「私服のセンスが独特」期待の新戦力・西谷に、他ポジションとの兼ね合いで梶川・徳真・島屋・表原あたりもここで起用される可能性がある。渡井の特徴を生かすためには、バランサーとしての感覚が優れている梶川・徳真あたりが適任なのかもしれない。

 

・CF

河田 篤秀

押谷 祐樹

清武 功暉

佐藤 晃大

垣田 裕暉(金沢から加入)

武田 太一(早稲田大から加入)

 わかりやすく上積みに成功したポジションだ。現有戦力の残留と「高さ」「走力」といった徳島に欠けていた要素をもつ垣田の加入。加齢とケガがちでフル稼働が難しい佐藤の穴埋めとしては適役だろう。リカルドのサッカーにも慣れ、得点量産が期待される河田、プレー時間は短いながらも鋭い動き出しでインパクトを見せた押谷、思い切りの良さが持ち味の清武と特徴の異なる選手が揃った。相手や時間帯に応じて2トップにして前からプレッシングにいく、垣田を投入してパワープレーを仕掛ける、など様々な選択肢が考えられる。ケガさえ癒えれば「本格派CF」と評判の武田のプレーも楽しみだ。

 

まとめ

 今年もまた多くの選手が入れ替わったことで、リカルドのサッカーの浸透には多少の時間を要するかもしれない。他方で岩尾の残留に加え、上福元・垣田の加入でパワーアップを果たしたポジションも少なくない。野村・内田の穴埋めが出来れば、今年も十分に楽しめるシーズンになるだろう。内田・杉本竜の左サイドは、昨年の徳島の生命線といってもいいコンビだっただけに、誰がレギュラーを掴むのか?リカルドがどのように穴埋めを施すのか?も含めて見どころだ。また、選手が大きく入れ替わっても「彼がいる限り戦術面は心配ない」と安堵でき「次はどんな手を見せてくれるのだろう」と期待できる指揮官が率いるチームを応援できるのは、本当に幸せなことだと思う。

 

 あ、今シーズン最も注目してる他クラブは新潟です。サポーターのツイートや選手のコメントなどから雰囲気を察するに、リカ将一年目と同じような空気を感じる。開幕から思う存分モダンなサッカーを披露し、それなりに勝ち点を取りこぼしつつ、夏に4人ぐらい引き抜かれる悲哀を味わってほしい。

 

J1参入プレーオフ決定戦 湘南ベルマーレvs徳島ヴォルティス 【プレビュー】

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置かれた立場の違い

 これまでプレーオフの2試合を「引き分けでも勝ち抜け」という有利な立場で戦ってきた徳島。湘南との試合は「J1昇格には勝利が必要」かつアウェイでの試合となる。とはいえ、岩尾が「湘南は殴り合いをして勝てる相手ではない」と発言していることからも、これまでの2試合と同じく「ボールを保持して主導権を握る時間」と「ブロック守備で我慢する時間」を使い分けることになるだろう。

 反対に湘南は「引き分けでもJ1残留」の立場である。前線からの高強度プレッシング、90分間持続する運動量が持ち味の「湘南スタイル」。彼らにとって、一見有利にも思える条件がどのように作用するのだろうか。曺貴裁・前監督が植えつけたスタイルの残像は感じ取れるものの、決して試合をコントロールすることが得意なチームには見えなかった。ひょっとすると徳島以上に「主導権」と「我慢」のバランスに苦心することになるかもしれない。

 いずれにしろ、この試合は先制点で結果がほぼ決すると表現しても過言ではないだろう。湘南が先制すれば徳島はゲームオーバー。逆に徳島に点が入れば、湘南は前がかりになる。徳島にとってはプレーオフ・2回戦の山形戦の再現も期待できる。

 

鍵を握るWBとシャドゥ

 攻守にわたって湘南の鍵となるのがシャドゥとWBの選手だ。湘南のサッカーは「WBが90分間上下動しながら、1on1で後手を踏まないこと」と「シャドゥの選手がDFラインのカバーまで戻ってくること」が極めて重要となる。3CBに大柄な選手がいない湘南は、CBをペナルティエリア幅から移動させることが殆ど無く、大外のレーンはWBが一人で対応するケースが多い。

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ペナ幅で数的優位を維持しながら守るCBと孤立気味になるWB

 徳島のWBが1on1で負けないことも当然だが、必ず用意しておきたいのが湘南のWB-CB間をアタックする選手だ。3CBに加えて、齊藤・金子も中央から動かしたくない湘南は、このスペースのカバーに両シャドゥが戻ってくることが多い。松田・山田とも走力のある選手であるが、守備が本職の選手ではない。またこの2人を押し込むことで、湘南のカウンターアタックの威力を半減させることにも繋がる。「山形戦以上に渡井を使えるかどうかが鍵を握る」とTwitterで記したのもこのためで、徳島はこのスペースを縦に深く使いたい。渡井の起用が難しいのであれば、時間帯や得点経過に応じて杉本のWB・島屋のシャドゥというオプションも面白いかもしれない。

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WB-CB間を抉ってマイナスへの折り返しやファーサイドへのクロスも面白い

 

アイツの好きなようにはさせない

 「湘南のキーマンを3人挙げる」ならば、「坂・齊藤・山﨑」となる。徳島のように「ボールを保持しながらポジションを入れ替えつつ攻撃する」シーンは少ない。湘南はボール保持の局面でも、攻→守への切り替えに備えながら、オリジナルポジションからは大きく逸脱しない立ち位置をとる。その中でも重責を担うのが古巣対戦となる山﨑。ロングボールのターゲット、サイドへ流れての裏抜けと陣地回復において多大な貢献をしている。

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困ったらシンプルに山﨑へのロングボール

 山﨑へのシンプルなロングボール。このとき湘南は2シャドゥ・2ボランチが距離を縮めて、セカンドボール回収から二次攻撃へ繋げる。徳島はバイス・岩尾で挟み込むように対応するシーンが増えるだろう。山﨑はフリック気味に後方のシャドゥを使うプレーを得意としており、徳島は石井・内田裕はもちろん、両WBもボールウォッチャーにならずに絞ったポジショニングで数的優位を維持しつつ守りたい。またフリックをゴールに近い位置へ落とされないためにも、DFラインを下げすぎずに対応する必要もある。

 

 シンプルな攻撃の目立つ湘南において、少し異質なキックを蹴るのが坂だ。片サイドに人数をかけて攻撃。手詰まりになったら坂まで戻して、低くて速いキックでサイドを変えるのがお決まり。左サイド→坂→右サイドへの展開は岡本のオーバーラップも加わるので厄介である。ここは湘南のシャドゥに根負けせず、徳島のシャドゥにも運動量と献身性が求められるポイントとなるだろう。

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坂まで戻して大きく展開

 

プレッシングの網を掻い潜れるか

 そして、湘南スタイルといえば忘れてはならないのがプレッシング。岩尾・バイスあたりには、とりわけ激しくぶつかってくるものと思われる。バイス・内田裕という徳島のストロングである左サイドに、齊藤未月が相対する形になるのも面白い。これまでの試合を見ていても、齊藤がスイッチを入れる形で小西や岩尾を監視しつつバイス(内田裕)のところまで出てくることになるだろう。それぐらい、運動量とアグレッシブさを兼備した選手だ。

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徳島の左からのビルドアップとスイッチ役となる齊藤

 

 この網を掻い潜ることができれば、徳島にとってはビッグチャンスとなる。齊藤が出てくれば小西が空く。小西がダメなら野村が空く。あるいは好調の河田をシンプルに裏へ走らせてもいい。時と場合によってはセーフティにサイドを使いWBの1on1に託すのもありだろう。いずれにしろこれまでと同様に「ボールを持った時こそリアクション」。相手の出方を見て誰が空くかを判断する。これまでと異なるのは湘南のプレス強度によって、判断がより短時間で正確に求められることだろう。

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湘南のプレッシングを見ながら、空く選手を判断する


最後に

 おそらくセットプレーで大きな差はつかないだろう。山﨑・バイスというターゲットを擁する一方で、他は小柄な選手が多いのも共通点。高さ不足を補うためサインプレーを駆使する点も似ている。ただし湘南の坂は滞空時間の長いヘディングをするので要注意。また控えにも小柄な選手が並ぶ徳島とは対照的に、湘南は指宿・野田といった選手がサブに入るだろう。徳島が先制すれば、早い時間からパワープレーに出てくることも予想される。

 「引き分けでもOK」という特殊な立場の湘南が、どう出てくるのかは読みづらい。徳島の試合を分析して「プレッシングを掻い潜られるのが最もマズイ」というのは認識済みのはず。それでもスタイルを貫いて前からくるのか、あるいはあえて持たせてカウンターからトドメの一撃を狙うのか。徳島は45試合目にして最も高難度のミッションに挑む。だが「相手の出方を見て柔軟に判断を変える」というのは、このチームが積み重ねてきた根幹の部分でもある。自信をもってボールを繋ごう。冷静に相手の嫌がるポジションをとり続けよう。今日こそ「徳島のサッカー」を結実させる時だ。

2019明治安田生命J2リーグ第42節 徳島ヴォルティスvsレノファ山口FC ~その扉を開くとき~

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徳島サブ・GK長谷川、DF内田航、MF狩野、清武、藤田、島屋、FW押谷

山口サブ・GK山田、DF楠本、川井、MF佐藤、佐々木、吉濱、FW高井

 

 とうとうここまできた。前節、鬼門・味スタで東京Vを降した徳島は、5位でリーグ最終戦に臨む。4位山形とは同勝点。このため徳島が勝点を上積みできれば、山形の結果次第でJ1参入プレーオフ初戦がホーム開催となる。万が一徳島が敗れれば、勝点は70のまま。甲府と京都が3を上積みすれば、それぞれ71となり、まさかまさかの結末となる可能性もはらむ。二年前に味わった最終節の悲劇を乗り越えられるか。真価と進化が問われる一戦だ。

 

 山口は前節からスタメンを4名変更。年代別代表から高宇洋が戦列復帰。一方で、左WBの清永は今シーズン初出場がいきなりのスタメン起用。また現役引退を表明している坪井、戦力外が濃厚と思われるドストンが3CBに入る。既に昇格の可能性とも降格の危険とも無縁な状況であり、まさに「シーズン最終戦」という事実を感じさせるメンバーだった。

 

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